投資先が極端に限定されている「つみたてNISA」のメリットとデメリット
公開日:
:
最終更新日:2020/05/27
日本の金融(保険)業界, 公的制度
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。
今回は、いま流行りの「つみたてNISA」について、お伝えします。
目次
1.つみたてNISAの概要
2.投資先
3.非課税投資枠の取り扱い
4.メリットとデメリット
5.まとめ
目次
1.つみたてNISAの概要
つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です(2018年1月からスタート)。ちなみにイギリスで既に実施されている類似の投資制度ISAにニッポンの頭文字「N」をつけてNISA(ニーサ)制度がつくられました。
利用できる方:日本在住の20歳以上の方 ※1
非課税対象:投資信託の配当金や譲渡益
口座開設可能数:1人1口座
非課税投資枠:新規投資額で毎年40万円が上限 ※2
非課税期間:20年間
投資可能期間:2018年~2037年
※1…「NISA」と「つみたてNISA」はどちらか一方を選択して利用可能です。
※2…非課税投資枠は20年間で最大800万円
2.投資先
金融庁の指定した173本の投資先は下記です。(2019年10月1日現在)
・指定インデックス投資信託:148本
・アクティブ運用投資信託等:18本
・上場株式投資信託(ETF):7本
3.非課税投資枠の取り扱い
つみたてNISAの投資可能期間は2018年~2037年ですが、非課税期間は20年なので、2037年に投資した分は2056年まで非課税で保有することができます。
※画像は金融庁から
非課税期間の20年間が終了したときには、NISA口座以外の課税口座に払い出されます。なお、つみたてNISAでは翌年の非課税枠に移すこと(ロールオーバー)はできません。
<注意点>
非課税期間が終わり、課税口座に移管したときの注意点です。
例1)40万円分購入 20年後に60万円になった場合
利益の20万円分は非課税で課税口座に移管されます。
①課税口座で80万円に増えた場合は、60万円から20万円増えているので20万円に対して課税されます。
②課税口座で50万円に減った場合は、60万円から10万円減っているので課税されません。
例2)40万円分購入 20年後に20万円になった場合
利益はないのでそのまま20万円が課税口座に移管されます。
①課税口座で40万円に増えた場合は、20万円から20万円増えているので20万円に対して課税されます。 ※3
②課税口座で10万円に減った場合は、20万円から10万円減っているので課税されません。
※3…例2の①の場合はトータルで見ると最初に投資した40万円に戻っただけですが、課税されています。課税口座に移管した価格20万円が基準になるので、注意が必要です。
4.メリットとデメリット
メリット
20年間は非課税で投資ができる
少額から積立ができる
毎年40万円の枠を2037年まで利用できる
手数料の安い投資先が用意されている
デメリット
投資先が限定される
損益通算できない
繰越控除できない
課税口座移管後の状況では課税対象
5.まとめ
2,000万円問題をキッカケに「つみたてNISA」や「iDeCo」などを急に始める方が増えたと思います。投資をすることはとても大切なことなので良いのですが、
”話題になってるから”
”皆んなやってるから”
”非課税なので凄い!”
といって何でもかんでも飛びついて契約するのは辞めましょう。 ↑生命保険にも言えることです(笑)。
もちろん、NISAが非課税で凄いのは分かるのですが、それはあくまでも増えた利益に対して非課税なだけです。利益がでる投資先でなければその恩恵も受けることができません。
”資産を増やす”というのが本来の目的であって、非課税の枠で投資するのが目的ではありませんよね。最終的に売却をして、利益を作らない限りいくら非課税であっても意味がないのです。ご自身で判断できる方にとっては良いのですが、投資初心者の方では難しいと思います。
そのあたりのことを事前にしっかりと理解し、他の商品と比較して自分に合った方法で資産形成をしましょう。
長期の積立なら海外積立年金(変額プラン)もオススメです。
老後資金の準備ならコレ!「海外積立年金(変額プラン)」
また「ジュニアNISA」や「つみたてNISA」を利用して学資準備などを勧めるFPもいるようですが、私はおすすめしません。NISAはあくまでも投資商品なので元本割れのリスクがあります。
ただ国内の学資保険では少し増えるか、元本割れしている商品もあるのでどうしたらいいか困りますよね。
そんな時には、海外積立年金(元本確保型プラン)を利用するのが良いと思います。
学資準備ならコレで決まり!海外積立年金(元本確保型プラン)
関連記事
-
生命保険と告知 Part2 ~告知義務違反~
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 前回からの続きです。h
-
苦情はここに!「金融ADR(Alternative Dispute Resolution)制度」
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 今回は、「金融ADR(
-
「つみたてNISA」で影が薄くなった「NISA」のメリット・デメリット
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 今回は、いま流行りの「
-
死亡、医療、介護、貯蓄を1つの保険で準備できる!日本生命「みらいのカタチ」 でも絶対に入っちゃダメ!!
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 今回は、日本生命(ニッ
-
【対談動画】第25回 生命保険のCM視聴質とは?
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 今回は、保険アドバイザ
-
【対談動画】第64回 2020年を振り返り〜国内と海外保険どうだったか〜
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 今回は、保険アドバイザ
-
皆さん「ネオファースト生命」って知っていますか?
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。今回は「ネオファースト生命」につい
-
郵便局員の横領、窃盗とお金の犯罪が多発!!
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 一昨年から「かんぽ生命
-
保険会社やマネージャーが終身保険を提案させるのは何故か?
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。 前回は「保険マンの目線
-
金融庁が保険料の事前調整問題で損害保険大手4社に業務改善命令
こんにちは、K2 Collegeの松本です。今回は、「金融庁が損害保険大手4社に業務改善命令」を出し