「つみたてNISA」で影が薄くなった「NISA」のメリット・デメリット
公開日:
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最終更新日:2020/02/27
日本の金融(保険)業界, 公的制度
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。
今回は、いま流行りの「つみたてNISA」ではなく、通常の「NISA」について、お伝えします。
目次
1.NISAの概要
2.投資先
3.非課税投資枠の取扱い
4.メリットとデメリット
5.まとめ
目次
1.NISAの概要
NISAとは、2014年1月にスタートした、個人投資家のための税制優遇制度です。NISAでは毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。ちなみにイギリスで既に実施されている類似の投資制度ISAにニッポンの頭文字「N」をつけてNISA(ニーサ)制度がつくられました。
利用できる方:日本在住の20歳以上の方 ※1
非課税対象:株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数:1人1口座
非課税投資枠:新規投資額で毎年120万円が上限 ※2
非課税期間:最長5年間
投資可能期間:2014年~2023年
※1…「NISA」と「つみたてNISA」はどちらか一方を選択して利用可能です。
※2…非課税投資枠は最大600万円
2.投資できる金融商品
NISAで取引できる金融商品は、株式投資信託、国内・海外上場株式、国内・海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内・海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)です。これらの商品をNISA口座で保有すれば、5年間は売却益、配当、普通分配金などにかかる税金が非課税となります。
ただ実際に購入することのできる金融商品は金融機関によって異なるので、詳しくは口座を開設する金融機関に問い合わせが必要です。
NISA口座は銀行、証券会社、ネット銀行、ネット証券で1人1口座まで開設できます。ただし金融機関は1年単位で変更可能です。一般的には証券会社かネット証券が良いと思います。銀行の場合は株などの取扱がないので投資信託に偏ります。初心者で相談したい方は店舗型が良いと思いますが、ある程度自分で選択出来るなら、ネット証券の方が手数料が安いので良いと思います。
3.非課税投資枠の取扱い
NISAは2023年までの制度とされていますので、金融商品の購入を行うことができるのは2023年までです。2023年中に購入した金融商品についても5年間(2027年まで)非課税で保有することができます。
※画像は金融庁から
非課税期間の5年間が終了した時には保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバーする)ことができるほか、NISA口座以外の課税口座(一般口座や特定口座)に移すこともできます。なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が120万円を超過している場合も、その全てを翌年の非課税投資枠に移すことができます。
<注意点>
非課税期間が終わり、課税口座に移管したときの注意点です。
例1)120万円分購入 5年後に180万円になった場合
利益の60万円分は非課税なので、180万円が課税口座に移管されます。
①課税口座で200万円に増えた場合は、180万円から20万円増えているので20万円に対して課税されます。
②課税口座で150万円に減った場合は、180万円から30万円減っているだけなので課税されません。
例2)120万円分購入 5年後に60万円になった場合
利益はないのでそのまま60万円が課税口座に移管されます。
①課税口座で100万円に増えた場合は、60万円から40万円増えているので40万円に対して課税されます。 ※3
②課税口座で30万円に減った場合は、60万円から30万円減っているだけなので課税されません。
※3…例2の①の場合はトータルで見ると最初に投資した120万円より減っていますが、課税されています。課税口座に移管した価格60万円が基準になるので、注意が必要です。
4.メリットとデメリット
メリット
5年間は非課税で投資ができる
少額から積立ができる
毎年120万円の枠を2023年まで利用できる
証券会社なら投資先が幅広い
デメリット
銀行の場合は投資先が少ない
損益通算できない
繰越控除できない
課税口座移管後の状況では課税対象
5.まとめ
2,000万円問題をキッカケに「つみたてNISA」や「iDeCo」などを急に始める方が増えたと思います。投資をすることはとても大切なことなので良いのですが、
”話題になってるから”
”皆んなやってるから”
”非課税なので凄い!”
といって何でもかんでも飛びついて契約するのは辞めましょう。
↑生命保険にも言えることです(笑)。
もちろん、NISAが非課税で凄いのは分かるのですが、それはあくまでも増えた利益に対して非課税なだけです。利益がでる投資先でなければその恩恵も受けることができません。
”資産を増やす”というのが本来の目的であって、非課税の枠で投資するのが目的ではありませんよね。最終的に売却をして、利益を作らない限りいくら非課税であっても意味がないのです。ご自身で判断できる方にとっては良いのですが、投資初心者の方では難しいと思います。
そのあたりのことを事前にしっかりと理解し、他の商品と比較して自分に合った方法で資産形成をしましょう。
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