生命保険の『積立利率(予定利率)』と『実質利回り』の違い!
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。
今回は、「生命保険の『積立利率(予定利率)』と『実質利回り』の違い!」を解説します。
各保険会社や商品によって『積立利率』や『予定利率』と表現されていますが、同じと考えて頂いてOKです。
目次
1.積立利率(予定利率)とは?
積立利率(予定利率)は、支払った保険料から経費を引いた、積み立て部分に適用される利率のことです。
つまり支払った保険料にまるまる適用される数字ではないという事です。
日本の貯蓄性のある生命保険商品(終身保険、養老保険、個人年金保険など)には貯蓄性を表す『積立利率』や『予定利率』という表現がパンフレットに記載されていたり、FPや保険募集人からの説明で必ず出てきます。
ただし生命保険には、死亡保障の上乗せがあります。もちろん無料で死亡保障を付けてくれる訳ではないので、「死亡保障コスト」がかかります。
さらに「会社の利益」「営業マンの報酬」「事務手数料」などの経費を差し引いた残りが積み立て充てられます。
この積立部分に対して適用されるのが積立利率の数字です。
2.実質利回りはどれくらいなのか?
ジブラルタ生命のリタイアメントインカムで計算してみましょう。
契約例
30歳 男性
商品名:リタイアメントインカム
死亡保障額:USD100,000(約1,100万円)
積立利率:2.25%
払込期間:60歳
払込頻度:月払
保険料:USD497.00(約54,670円)
総支払保険料:USD178,920
解約返戻金と返戻率の推移
10年後:USD53,941(90%)
20年後:USD121,691(102%)
30年後:USD206,598(115%)
積立が終了した30年後に一括で受け取れる金額はUSD206,598(約2,273万円)です。
これを毎月年金として20年間かけて受け取ると、年金受取総額はUSD240,000(2,620万円)になります。
では実質利回りの計算をしていきます。
30年間積み立てて一括受取りする場合
実質利回り:0.91%
さらに20年間で年金受取した場合
実質利回り:0.85%
※返戻率を高める裏ワザ
実は10年目くらいに『払済』にしてそのまま寝かせておくと、60歳時点の返戻率が上がります!
上記の契約例で10年目に払済にすると、総支払保険料はUSD59,640になり、60歳の返戻率は145%くらいになります。
実質利回り:1.52%
このようにしっかり計算してみると、『積立利率(予定利率)』と『実質利回り』には大きなズレがあることがわかります。
3.主な貯蓄性商品の積立利率
養老保険
・プルデンシャル生命
リタイアメントインカム 3.25%
・ジブラルタ生命
リタイアメントインカム 2.25%
終身保険
・メットライフ生命
ドルスマートS 2.5%(最低保証)
・ジブラルタ生命
米ドル建終身保険 2.5%
プルデンシャル生命とジブラルタ生命の「リタイアメントインカム」では積立利率が1%も違いますが、返戻率はあまり変わりません。
これは各会社や商品毎に経費の割合が違うからですね。
積立利率を高くても経費率が高ければ実質利回りは一緒ってこともあります。
※多くの場合、各社同じくらいの経費率に設定されています
リタイアメントインカムや積立利率については下記のブログも参考にしてください。
「リタイアメント・インカム」でよくある勘違い。
リタイアメントインカムで手数料ガッポリの販売方法!
積立利率ってなに?
4.海外終身保険との比較
では海外の生命保険(インデックス型海外終身保険)では、実質利回りがどれくらいになるのか計算してみましょう。
リタイアメントインカムと同じ保険料で比較します。
契約例
30歳 男性
商品名:インデックス型海外終身保険
死亡保障額:USD684,730
積立利率:1〜12%で変動 ※1
払込期間:60歳
払込頻度:年払
保険料:USD5,964(月換算:約54,670円)
総支払保険料:USD178,920
※1 過去の25年間の平均利率は7.99%
解約返戻金と返戻率の推移
10年後:USD38,036(64%)
20年後:USD216,235(181%)
30年後:USD608,012(340%)
積立が終了した30年後に解約をすると一括で受け取れる金額はUSD608,012(約6,688万円)です。
終身保険なので解約せずに継続すると解約返戻金は増えていくので、
40年後:USD1,431,854(800%)
50年後:USD3,371,532(1,884%)
になります。
では実質利回りの計算をしていきます。
30年間積み立てて一括受取りする場合
実質利回り:7.05%
40年後に一括受取する場合
実質利回り:7.93%
50年後に一括受取する場合
実質利回り:8.19%
*返戻率を高める裏ワザ
裏ワザというわけでもないのですが、10年間という短期で払込む場合を見てみましょう!
契約例
30歳 男性
商品名:インデックス型海外終身保険
死亡保障額:USD285,304
積立利率:1〜12%で変動
払込期間:40歳
払込頻度:年払
保険料:USD2,485 ※2
総支払保険料:USD59,640
※2 1〜7年目はUSD7,455/年 8〜10年目はUSD2,485/年 を支払う
解約返戻金と返戻率の推移
10年後:USD77,362(130%)
20年後:USD166,745(280%)
30年後:USD346,485(581%)
40年後:USD710,409(1,191%)
50年後:USD1,456,595(2,442%)
30年後に一括受取りする場合
実質利回り:7.36%
インデックス型海外終身保険の詳細ついては、下記のブログも参考にしてください。
「インデックス型海外終身保険」と「国内ドル建終身保険」の比較
コロナショックでアメリカ株の暴落(調整)でも安心な【インデックス型海外終身保険】
NASDAQが過去最高値を更新している今、投資対象になるか?
【インデックス型海外終身保険】を相続対策で活用する方法。
人気の【インデックス型海外終身保険】に新しい払い方が追加されました!!
5.まとめ
「生命保険の『積立利率(予定利率)』と『実質利回り』の違い!」について解説しました。
積立利率とは、保険料から『死亡保障コスト』『会社の運営費』などの経費を引かれて残った部分に影響するものです。
なので実質利回りとは異なるということを覚えておきましょう。
また日本の保険会社は、経費に関しては開示していない(ブラックボックス)ので、設計書やパンフレットの返戻率から実質利回りを計算するしかありません。
積立利率の数字だけで契約しないようにしましょう。
そしてフタを開けて、実質利回りを計算してみると積立利率から大きく数字が変わります。
逆に海外終身保険は、実質利回りの高さがよく分かって頂けたかと思います。
ご自身の契約の利回りがわからない方はお気軽にご相談ください。
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