【相談事例】1000万円以上の資産があると自己負担金が増えるため資産計上されない保険(ユニットリンク)を契約。その後、私のような事例があり、不安になってきました。<40代 女性>
公開日:
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最終更新日:2020/08/13
相談事例
こんにちは、K2 Assurance 保険アドバイザーの松本です。
今回は相談事例についてご紹介したいと思います。
1.相談者と相談内容
<相談者>
40代 女性
<相談内容>
先週末にアクサ生命のユニットリンクに契約をしました。その後、こちらのメルマガやブログを拝見していたところ、まさしく私のような事例が書いてあり、不安になってきました。
女性のためのマネーセミナーに参加し、フリーのFPの方が無料相談ものってくださるとのことで、老後の資金作りや生命保険の見直しなどを相談。資産は日本円だけでなく分散した方がいいので米ドルで持っておくことも大事と言われ、10年間積み立てて、その後寝かせて運用するのが良く、キャピタル世界株式ファンドがオススメとのことで、相談にのってくださったFPさんの紹介でライフプラザパートナーズのFPさんで契約しました。
ご提案内容は、月4万円を世界株式プラス100%で運用し、10年経ったところで払済にして、その資金を運用していくという内容でした。なぜ保険かというのは、資産として計上されないものが保険で、1000万円を超えた資産を持っていると今後、自己負担金などが多くなる可能性があるので投資商品よりも保険の方がいざというときは貸付もできるしおすすめとの説明でした。
私は叔母と2人暮らし・独身で兄弟も子供もいないため、死亡保険はそんなに高額である必要がないためこのプランがおすすめとのことでした。こういったことに疎く、とても納得の行く説明で契約してしまいましたが、あまりにも事例に当てはまっていたので、本当に大丈夫かご相談させてください。
2.既契約と目的
①アクサ生命「ユニットリンク」
目的:貯蓄(年金)
アクサ生命「ユニットリンク」入っちゃダメ!その理由は?
詳細についてはブログを読んで頂ければ分かると思いますが、貯蓄を目的としてユニットリンクを選択するのはおすすめできません。
ユニットリンクは「生命保険」と「投資信託」を組み合わせた商品です。つまり死亡保障と貯蓄を目的としています。貯蓄(年金)が目的なのに死亡保障コストが余分に掛かるので貯蓄効率は悪くなってしまいます。
3.アドバイス
まず、相談されたFPの提案について回答します。
資産は日本円だけでなく分散した方がいいので米ドルで持っておくことも大事
その通りです。私もその様に考えており、クライアントへも同じアドバイスをします。
しかし、勧められたのは、運用先として世界株式を選択しているだけで「ユニットリンク」という円建ての保険です。
通貨分散するのであれば「米ドル建て」の商品にしないと意味がありません。
日本円しか持っていないって、ホント!?
10年間積み立てて、その後寝かせて運用するのが良く、キャピタル世界株式ファンドがオススメ。月4万円を世界株式プラス100%で運用し、10年経ったところで払済にして、その資金を運用していくという内容でした。
投資先としてキャピタル世界株式ファンド自体は良いものだと思います。仮に私がユニットリンクに加入しているなら運用先は「世界株式プラス」を選択します。
しかし10年後に「払済」にするのが良いかどうかはその時の状況によりますし、コミッションを目的としたセールストークのように思えます。一般的に契約期間が長いとコミッションレートが良くなります。しかしユニットリンクは10年以内の契約変更には「解約控除」が掛かるので、「10年間は継続しましょう!」と言って、10年分のコミッションを受け取り「払済」に変更し、また別の商品を提案することで新たにコミッションが発生する。というシナリオです。
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また「10年積み立て寝かせる方が良い」という考え方は、運用先の基準価格で資産が上下するので10年以降もファンドが伸び続けることを前提としています。ですが永遠に伸び続けるファンドなんて無いですし、どこかで売却するなりしてリバランスをする必要もあります。
基準価額が伸びていくにしろ上がり下がりをしながらになるので、ドルコスト平均法を使い積立を継続し続ける方がリスクは小さくできます。
ドルコスト平均法
なぜ保険かというのは、資産として計上されないものが保険で、1000万円を超えた資産を持っていると今後、自己負担金などが多くなる可能性があるので投資商品よりも保険の方がいざというときは貸付もできるしおすすめとの説明でした。
これは説明不足か理解不足か分かりませんが、勘違いをしていると思います。
一般的に資産が100万円の人と1000万円以上の人で自己負担金が変わることはありませんが、年収や所得に応じて公的制度の自己負担額や税率は変わります。
住民税の非課税対象になる条件とは?
おそらくこのFPは介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型病床)を利用する際に使える介護保険の負担限度額認定制度の要件を案内したのだと思います。負担限度額認定を受けられるかどうかは、所得と預貯金等から判断されます。
認定要件
所得の基準
住民税非課税(※)の方。世帯を問わず、配偶者も住民税非課税である。
※年金収入のみの場合は、120万円以下で住民税が非課税になります。
預貯金等の基準
・単身の場合:1,000万円
・夫婦の場合:合計2,000万円
預貯金等の具体的な種類は
・預貯金(普通、定期)
・有価証券(株式、国債、地方債、社債など)
・金や銀(積立購入を含む)
・投資信託
・たんす預金(現金)
です。
ここに生命保険の解約返戻金が含まれていないので、「預貯金等に1,000万円以上ある場合は1,000万円以下にしておかないと自己負担金が増えますよ」というセールストークを使ったのだと思います。このFPが言ったかどうかは分かりませんが「預貯金が1,000万円以上あると介護保険施設に入れない」と伝えている人もいるようです。
そもそも住民税非課税の要件もあるので、会社員で勤めていた方なら年金だけで120万円以上あるので、預貯金等の金額が1,000万円あろうがなかろうが関係ありません。
私は叔母と2人暮らし・独身で兄弟も子供もいないため、死亡保険はそんなに高額である必要がないためこのプランがおすすめとのことでした。
これもFPの間違った説明です。
ユニットリンクはあくまでも保険であり死亡保障がある商品です。死亡保障が必要ないなら少なくとも死亡保障のない商品を案内するべきです。
国内であればソニー生命の変額個人年金保険や確定拠出年金などですね。ただ変額個人年金はコミッションがめちゃくちゃ低いから「ユニットリンク」や「バリアブルライフ」などコミッションの高い商品を勧めている人もいます。確定拠出年金に関してはそもそもコミッションもありませんし。
ただどちらも円建て商品になるので、通貨分散も考えると「海外積立年金(変額プラン)」が良いと思います。
これなら死亡保障がないので余計なコストも掛かりませんし、積立資産は米ドルなのでFPのアドバイスにも当てはまりますね。
4.まとめ
今回のご相談者のように「女性向けのマネーセミナー」なるものが、同商品の販売目的で頻繁に行われているようです。
そのためか、こちらに頂く相談も女性加入者が多い印象ですね。
思い当たる方、、、お気軽にご連絡下さい。
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